2014年 グアム射撃旅行

2014年のある日、職場で同僚と自販機で飲み物を買っていると私が去年グアムに行ったという話になった。なんでも私が単独でグアムに行ったのを他の同僚が聞きつけその人達も行きたいということになったらしいのだ。まさかこんな物好きが他にもいるとはびっくりである。

当初私は自分が行ったときの経験を元にアドバイスに留めるはずだったが、結局私も行くことになってしまった。私に話を振ってきた人を含めた4人でのグアム旅行計画が立ち上がった。

何度か4人でファミレスなどで打合せをして、予算、日程、撃ちたい銃、射撃以外にやりたいことなどを話し合った。特に撃ちたい銃は4人とも何種類もの銃を撃つためあらかじめ表にして値段を計算しておいた。

まず一番最初に決めたのは日程であるが10月の11,12日が土日で13日が祝日の月曜日だったのでこの3連休にすることにした。これなら職場への負担も少ない。上司にはあらかじめ相談して許可を貰うことができた。日程はこれを元に航空券探しに入った。

探すのに使ったのはHISでなるべく優先したのは滞在時間がなるべく多く、そして安いということだった。探してみるとホテルとセットで一人往復78000円のものがあり、滞在時間も比較的多めなのでこれにすることになった。

また射撃以外にやりたいこととしてはスカイダイビングが話題にあがり若干不安はあったが朝鮮してみることにした。日本ではなかなかできない体験である。

これらをふまえて出来た旅行内容が以下の通りである。

10月11日(土)

  • 11時出発の便で成田を出発、現地時間の15:45に到着
  • 16時30分頃 ホテルベイビューホテルグアムへチェックイン
  • ウエスタンフロンティアヴィレッジで射撃体験
  • 夕飯を食べに行く

10月12日

  • 朝の8時頃にGOSRの送迎の車がホテルへ到着、GOSRへ
  • 午後までGOSRにて射撃、夕方頃ホテルへ戻る
  • 屋内射撃場へ行く (USAガンクラブ)
  • 夕飯をホテルのレストランで食べる

10月13日(月)

  • 朝6時台にスカイダイビングの送迎が来る
  • 午前中でスカイダイビングは終了しホテルへ戻る
  • 15時頃にはホテルを出発し空港へ
  • 17:10グアム出発の便に乗り成田空港へ19:55到着

なぜ本格的な屋外射撃場で撃つのにそれ以外にも2件も室内の射撃場に行く予定があるのかというのは気にしないで欲しい。もちろんそれぐらい銃が好きだからである。この旅行予定を元に準備を進めていった。そして旅行の日はあっという間にやってきた。

10月11日の朝、まだ外が暗い中キャリーバッグを引きずりながら家を出た。電車で地元から新宿、新宿から日暮里から京成スカイライナーで空港まで行く。成田空港の第2ターミナルで9時集合の約束だった。空港に行くと全員先に来ていて問題なく合流した。前回は夜に一人で無理して行く旅行だったが今回は日中の出発でしかも4人いると心強かった。最初の旅行もこうだったらと思ったが一緒に行ってくれる人まで見つかったのにそんな贅沢な後悔はできない。

飛行機の中では銃の雑誌を見たり映画を見たりしながら暇をつぶした。日本からグアムまで3時間半というのは行きやすい距離ですばらしかった。それだけで大口径ライフルから自動小銃までなんでも撃てるところに行けるのだから。

グアムの空港に到着するとやはり入国審査待ちの行列の洗礼を受ける。私は2回目だったがあまりに時間がかかるので4人ともうんざりしてしまった。ある意味旅行で一番嫌だったのはこれだと言っても過言ではないぐらいである。

入国審査を突破しタモンのベイビューホテルグアムへタクシーで向かう。ホテルは2部屋とっておりそれぞれ1部屋に2人ずつにしていた。男だけでのグアム旅行である。少し周りの目が気になったがこれからの予定のワクワクでそんなことは忘れてしまっていた。到着後チェックインして少しゆったりした後4人で屋内射撃場のウエスタンフロンティアヴィレッジへ向かう。私は実弾射撃は経験済みだったが残りの3人は初めての体験だった。

自分たちの番が来て射撃場の部屋に入る。まず後ろのほうで注意事項を説明された後に前へ進み、それぞれ自分の射撃ブースに入る。自分はシグのP226を選び他の3人はリボルバーから自動拳銃までセットになったコースで射撃した。そして撃ち始めると初めての反動に夢中になる3人、そして一度経験済みであるが夢中になる私であった。全員が撃ち終わり余韻にひたりつつ射撃場から出てきた。撃った的はさすがに全部がど真ん中とは言わないが比較的中心の周りに集弾していた。

最初の射撃が終わった後はご飯にすることにした。あらかじめここに行こうと話していたステーキハウスにタクシーで向かうも予約がいっぱいで入れなかった。入れないのは誤算だったがさらに誤算だったのはそれでタクシー運転手の提案するお店へ行ったことだった。「ハルナ」というお店だったが65ドルほど払って出てきたのは小さいステーキとロブスターそしてビール。正直明らかにいい店とは言い難かった。自分らの他にいたのは日本人女性数人のグループだけでで明らかに同じように連れてこられた感じだった。おそらくタクシー運転手もお店から何かリベートか何か貰ってるのだろうと思った。

食べ終わってもう行こうと4人で店を出る。帰ろうと店を出ると待っていたタクシー運転手にホテルまで送ってもらった。ホテルにつくと2人でホテル横のお店まで食料などの買い出しに行った。アメリカではおなじみのバドワイザーや葉巻などを帰っていった。ホテルではバドワイザーを飲みながら次の日の射撃に備えた。

次の日の朝8時頃に送迎のGOSRの車がホテルへ到着。4人で車に乗り込み1時間ほどの移動でGOSRの屋外射撃場へ移動した。車では銃の話や現地の話など面白い話をたくさん聞かせていただいた。射撃場へ着くと4人で用意した撃ちたい銃と弾のリストを渡して準備が始まる。

自分は2回目なので1年ぶりだったがGOSRでのライフル射撃は楽しみにしていた。まずは拳銃から始まりライフルへと移行する。その日の目玉は世界最強の拳銃であるS&WのM500とバレットM82での射撃だった。

M500が運ばれると他に来ていたお客さんも大きさを見て笑ってしまっていた。拳銃なのにあまりにも大きいためである。最近の拳銃は7,800グラムぐらいのものが多いがこれは約2kgもある。500S&W弾も拳銃とは思えないほど特大でライフルの薬きょうがこの拳銃弾の中にすっぽりはまってしまった。それぐらい大きいのである。撃ってみると強烈な反動で手が上に持っていかれる。そして強烈な射撃音が私の耳を直撃した。左半身を前に向けていたので左耳が痛い。ただ手に関しては痛くもなく銃が重いせいか普通に撃てなくはないなというぐらいだった。はたから見るとこんなの撃つのはギリギリなんとかに見えただろうが撃ってる本人はそこまで感じなかった。ゆっくりと腕全体が上のほうに上げさせられたみたいな感じだった。手が痛いという意味では44マグナムのM29のほうがよっぽど痛かった。やはり反動を逃がす各種機構と銃の重さが違うからであろうか。

次にバレットM82A1狙撃銃である。これもライフルとしては非常に大きなもので通常の狙撃用ライフルは4kgほどであるがこれは約13kgもある化け物だ。使用する弾は12.7x99mm弾でこれは軽装甲車ぐらいであれば装甲を貫通して破壊できるほど威力のある弾である。この射撃場の最大射程である約50m先に的となるナンバープレートを置いてもらった。これは撃った的をお土産として持ち帰るためのものだ。せっかくなのでこのバレットM82で撃つことにしたのである。銃が運ばれてきて操作方法のレクチャーを受ける。

そしていよいよ自分の射撃の番が来た。安全装置を外してナンバープレートをスコープで狙う。そして引き金を引いた。その瞬間右肩を力持ちの人に強く押されたような反動で銃が後ろに押してきて強烈な音が横にあったペットボトルを吹っ飛ばしていた。すごい迫力である。M500もすごかったがこれはそれ以上だった。衝撃波が腹に響き体中の皮膚を針でつついたようなチクっとした感覚がする。的のナンバープレートには綺麗に中央に命中し。大きな穴が開いていた。周りから見てもすごかったようで見ていた人はあまりの迫力に笑いが止まらなくなっていた。

GOSRでの射撃はこれらの目玉をメインに無事終わった。終わった頃にはもう夕方頃になっていて。車で送迎の人と友人達で銃の話で盛り上がりながらホテルまで送迎してもらった。ここまででもすごい体験で大満足だったのだがまだ旅は終わっていない。明日の朝からはさらにスカイダイビングの予定が入っていた。ホテルへ戻り夕飯にホテルに入っているレストランへ行く。何を頼んでいいかわからなかったのでお勧めを聞くと切ったステーキをみんなで分けてはどうかと伝えられたのでそうする。付け合わせに大きなサラダとマッシュドポテト、そしてビールを頼んだ。ステーキにはいろんなソースがあり口に運ぶたびに少し変えたりして色々な味を楽しめた。もちろん肉自体も大変おいしい。お酒も入り談笑しながら楽しい夕飯が終わった。

部屋に戻るとABCマートで買ってきたバドワイザーを片手にベランダで友人と今日の出来事を談笑していた。男4人のグアム弾丸旅行、大変満足しているがこのまま終わるわけにはいかないという話になった。そして自分ともう一人でストリップクラブに行こうという話になった。ネットで調べるとストリップクラブのひとつは客を押し倒し、ズボンを脱がせ口でパンツのひもを食いちぎり、そのパンツを天井にぶらさげるなどと書いてあった。なかなか大胆なサービスをするものである。このお店は避けようと話し合ってとりあえずホテルから一番近かったCLUB USAというお店にいった。

店内には現地住民はもちろん同じ日本人観光客も何人かいた。システムとしては曲が1曲流れている間ストリッパーが一人出てきて踊っている。ステージ上にお金を投げるとその人の席の前に来て胸を触らせてくれたりなどのサービスをしてくれるというものだった。ただお金を投げれば必ず来てくれるわけではなくたくさんお金を投げた人のほうに行く可能性が高いというものだった。

初めての海外ストリップクラブ楽しくなって酒とたばこが進み、酔っ払い日本人2人組はステージにお金を投げては胸をもんだり、顔に押し付けられたりして楽しんでいた。隣の席にいた別の島から出稼ぎに来たという人と話などもしたりした。クラブのママがドリンクを奢ってくれと隣に来たりもした。

そして数時間したころである私の隣の連れが多めにお金をステージに投げ込んだ。その時事件は起こった。ストリッパーが連れの前に行ったかと思うとステージから連れを床まで押し倒し、ズボンをひっさげ、パンツを食い破ったのだ。そしてストリッパーは加えたパンツをステージの天井についていた洗濯ばさみのようなものに戦利品のようにぶらさげた。

突然の出来事に固まる連れと私、店内は大爆笑で大盛り上がりだった。まさか行く前に調べてここにはいきたくないと話し合っていたお店に来ていたのだ。かなり酔っぱらっていた2人だが少し酔いが冷めた瞬間であった。その後少ししてお店を後にした。時間はもう朝の2時半である。朝6時半頃にスカイダイビングの送迎の迎えが来る予定である。ホテルに帰ると別々の部屋だったので分かれた後それぞれの部屋で2人とも泥のように寝ていた。

朝6時アラームが鳴る。スカイダイビングの時間だ。4時間ぐらいしか寝ていないので2日酔いで頭が痛い。なんとか眠たい目をこじ開け着替えて準備をする。4人集合するとホテル前で送迎の車に乗り込んだ。スカイダイビングの出発地まではマイクロバスみたいなので他の客も交えた送迎だった。到着した建物で書類などにサインし説明を受ける。予約したのは2800メートルからセスナでタンデム方式で降下するコースだった。タンデムとはインストラクターが客の背中にハーネスでくっついた状態で一緒に降下する方式である。書類を記入後に一人がせっかくだからと追加料金を払って4000mぐらいの降下に変更していた。その後は講習を受けた後に着替えてハーネスなどを取り付けてもらって記念撮影。

そして飛行場に駐機していたセスナに乗り込んだ。セスナが動き出し飛び立った。ドアは開いたままで外の景色がよく見えたが、このあたりから乗っていた参加者全員の顔が強張って無言になっていた。自分も例外ではなくさっきまでそうでもなかったのに実際にやるとなると恐怖がこみあげてきた。飛行機内では会話もなく(会話するのも大変なぐらいエンジン音が響いていたが)セスナは高度を上げて飛び降りる順番が来た。もう地面は見えなく雲の上であった。セスナの空いたドアへ進みドアのところに腰かけた後に降下となった。想像と違ったのはバンジージャンプのように無重力を感じながら落ちるのではなく横に流されるように落ちていったことである。飛んでいる飛行機から飛ぶのだからよく考えれば当然だ。

降下して最初の数十秒はパラシュートを開かないままでの自由落下の時間である。グアムの景色が目の前に広がる。身ひとつで空にいてそれをすごいスピードで降下しながら見ているのだすごい経験だった。そしてパラシュートが開いて肩に反動がくる。パラシュートが開いてからは恐れはなく余裕だった。パラシュートの右旋回と左旋回も少しやらせてもらいそして着地となった。着地地点では先に飛んだ人が集合しており、後から降りてくる人を待っていた。みんな降りた後は友人達と合流しさっきの体験を語り合いながらバスの送迎でホテルに戻った。大満足のすごい体験であった。

ホテルに戻るといよいよこのグアム弾丸旅行も終わりである。最後にハードロックカフェでハンバーガーをみんなで食べて午後には空港に向かい日本への帰路についた。飛行機ではみんな疲れており行きの時のワイワイした感じはなかったが大満足の体験だった。どれも日本ではできない体験である。こうして無事成田空港に着くと別れを行ってそれぞれ家へと帰っていった。衝撃あり、ハプニングあり、硝煙の匂いのする旅はこうして終わった。これで最後だと思ったグアム旅行だったがまた4年後に行くくこととなる。