2013年 グアム射撃旅行

銃を撃ちたいという夢をかなえようと動き出したのは2013年だった。動き出したのは6月ぐらいで10月頃に行こうと計画していた。目標としては銃が好きなものの実銃を撃ったことがなかったので拳銃やライフルなどを一通り経験できればという感じだった。

この射撃旅行は2回目と3回目と続き3人の友人達と行くことになる。まさか自分以外にこんな物好きはいないと思ったため、この最初の旅行は自分ひとりだけである。

旅行の予定としては以下の通りである

2013年11月8日(金)

  • 夕方頃に成田空港行きのバスに乗る。
  • 21時20分発のユナイテッド航空の直行便に乗る。搭乗時間は3時間30分ほど。

2013年11月9日

  • 01時50分にグアム国際空港到着。
  • 朝8時頃に射撃場GOSRの送迎の車がホテルに到着。午前中いっぱいは射撃をする
  • 午後15時頃にセスナの体験操縦の車がホテルに到着。

2013年11月10日

  • 朝06:55発のユナイテッド航空便で日本に帰る
  • 朝9時40分に成田国際空港へ到着

グアムの滞在時間は合計約29時間という弾丸旅行である。今考えるとこんなめちゃくちゃな日程でも行ったのだから当時の自分は本当に銃を撃ちたくてしょうがなかったのだなと思う。

そして出発の当日金曜日の朝に夜勤から帰り、夕方頃に準備したキャリーケースを持って成田空港行きのバスに乗った。成田につくとワクワクしてきた。もちろん銃を撃ちに行くのもそうなのだが空港というのは昔から自分にとっていつもワクワクさせてくれる楽しい場所だった。

休むことも考えず出発時間まで目いっぱい空港内を歩き回っていた。その後に出発ゲート前の椅子でゆっくり休んだ後に飛行機に乗り込んだ。

グアムに到着すると入国審査待ちの人が非常に多くものすごい時間がかかってしまった。現地は朝の2時であるにもかかわらずなかなか進まず永遠に続くかと思うぐらいだった。

1時間以上して入国審査も無事通過しタクシーを捕まえてホテルへ行った。この時点で朝の3時近くだったと思う。なるべく節約した旅行なのでホテルもガーデンヴィラという比較的安いホテルに泊まった。

もうその日の朝から射撃なのでホテルについて3時間ほど寝て起きたのは7時頃であった。予約したのは屋外射撃場のGOSR。サイトや予約が日本語できて便利な射撃場だ。

ホテルの前まで車が迎えに来て車に乗った。道中は1時間ぐらいだっただろうかタロフォフォの滝のそばにあるGOSR所有の射撃場に到着する。実銃を撃ちたいと思ってから早10年以上。ついに夢がかなう時が来た。

事務所に入ると壁とガラスケースに銃がたくさん並んでいる。あらかじめ撃ちたい銃は決めてきたのでその紙を渡して伝えた。その後は初の射撃となる。その日撃った銃は次のような感じだ。

M92FS、Glock17、Colt1911、ColtSAA、デザートイーグル、AK47、M4、M4バンプファイア、M1ガーランド、バレットM82A。これら全部のレンタルと弾で合計770ドルだった。

準備ができると射撃に関する注意事項を受ける。最初に撃つのは拳銃のグロック17のようだ。そして指示通りマガジンに弾を込めて銃に装填した。

10年来の夢が叶うその時はやってきた。エアガンよりはるかに重いトリガーを引くと「ドンッ!」と腹に響く音と衝撃波と共に弾が発射された。それまで一番気になっていたのは銃の反動がどんな感じなのかだった。簡単に言うと握っている銃が手の中で暴れるような感じだった。

この感じはガスガンでも味わえない。一発目を撃つとすぐに夢中になった。15発ほど込めたマガジンを夢中で次々と発砲する。問題は思ったより中心に当たらなかったことだ。

次にベレッタ92Fを撃つ。ダブルアクションでも撃てるがシングルアクションのみで撃った。シングルアクションのみなのでグロックより引き金が軽い。

この時実銃を撃って当てるために大切なのは引き金の引き方だということを知った。そのためか自分の射撃の成績はグロックよりベレッタのほうがはるかによかった。弾は中央に比較的近いところに集弾したが的の下半分に当たっていた。

この後はどの順番で撃ったかはあまり覚えてはいないが用意されたものを次々と撃っていく感じだった。全部ではなくいくつかピックアップして感想を書いてみる。

デザートイーグル

少し身構えて撃ったがなんてことはなく普通に撃てた。だがもちろん反動はとてもなく大きかった。気になったのはなぜか薬莢が自分の額に毎度当たるのである。なぜかと思ったが答えは簡単で銃が反動で上に90度向いていたためである。その時に出た薬莢は真後ろにある自分の額に当たっていたのだ。

AK47

撃つがガコンという感じの反動が大きくくる。ライフルはこんなものかという感じだった。そしてM4を撃つがはるかに撃ちやすかった。さらに次はM4を疑似的にマシンガンのようにフルオート(連発)で撃てるM4バンプファイアの番だ。フルオートなんて耐えられるのだろうかと思ったがM4と弾の撃ちやすさとフォアグリップがついているのもあいまってすんなりと20発を撃ち終わった。「ダダダダン!」と連射できるのはとても面白かった。

M1ガーランド

重い「バコン!」という感じの反動が肩にのしかかるが銃自体が重いからかそんな反動がきついという印象はなかった。肩は後ろに押されるがきついという印象はなかった。

M82A1バレット

持つことはできなかったがその大きさはとにかくすごかった。また迫力と無骨な鉄の塊という雰囲気がまさに今までの中で一番最強の弾を撃つのだと感じさせてくれた。座った状態でテーブルに銃の2脚を委託させ安全装置を外し撃つ。

引き金を絞ると巨大な鉄の塊が真後ろにガツンと肩を押し迫ってくる感じだった。ただ痛いとかそういったものはまったくなく反動は大きいものの女性でも問題なく撃てる感じである。銃自体の重さや肩に充てるストック部分にはゴムがついていること。

そして何より銃口先端についているガス圧を使って反動を逃がすマズルブレーキおかげだろう。その音と迫力は言うまでもなくそばに置いてあった空のペットボトルは横に飛んで行ってしまった。また耳栓で撃つにはちょっとあまりにも音が大きかったのでヘッドセット型のイヤーマフに変えてもらった。

すべて撃ち終わったもののいささかものたりない。そのため撃った後にグロックでの射撃で25発を追加させてもらった。それもすぐに撃ち尽くしてしまい帰路の送迎の車に乗ることになった。人生初の射撃は興奮と感動、そしてすぐ楽しくて夢中になってしまったこともあり帰りには少し疲れてしまった。約1時間の帰りの車の中では少し眠ってしまっていた。

送迎の車がホテルロードにつくと降ろしてもらい次なる目的地に向かった。まさかのまさか今度は屋内の実弾射撃場である。

ウエスタンフロンティアヴィレッジという日本人経営の射撃場だった。実弾射撃旅行は今回1回で終わる気だったのでとことん撃つつもりだったのである。

内装が木造の建物に入るとまさにウエスタンな店内で手前にはおみやげものがたくさん置いてある。キーホルダーやアクセサリーが多かったかと思う。そしてお店の奥は実弾射撃場になっておりガラス越しに射撃レンジが見えるようになっていた。

訪れた芸能人の写真なども多く飾ってあったのが面白い。店の中ほどへ行き実弾射撃をしたい旨を伝える。値段としては以下の感じだった。

来たのはいいものの予算があまりなかったのでGLOCK17とショットガンのバードショットを撃たせてもらうことにした。

GLOCKはさっき撃ったのだがショットガンはGOSRでは撃たなかったのでそれは初体験となる。金額はいくらだったかは忘れてしまった。今度は初の屋内射撃場である。警察物の映画などで見るものに似ているブースに一人ずつ並んで立って撃つというものだった。

扉を開けて射撃場に入り射撃ブースから少し下がったところで安全講習を受ける。ついさっきまで撃っていたのにそんなことも忘れてまたワクワクしてきた。

そして射撃である。今度は屋内なので音の反響がすごい。「バヨヨーン!」という感じで反響した感じの銃声がする。外で撃った時とはちょっと違う感じだ。ただもちろん銃が手の中で暴れる感じはそのままだ。

引き金はゆっくり引いたほうが当たるというアドバイスを受けたのでそのようにやってみた。だがグロックのトリガーはまるでゴムを押し込むようなトリガーでゆっくり引くと重くて引きにくい。意識してゆっくり引こうとしてもちょっと苦労した。そのまま難なく30発を消化したがちょっと不満足の結果だった。

次はショットガンだ。初めてのショットガンやはり少し重い。弾を込めたショットガンを渡され前の部分を「カシャコン」と後ろにスライドさせて弾を込める。映画などでよく見るやつだ。

構えて撃つと拳銃とはくらべものにならない迫力だった。室内だからというのもあるのだろうが迫力が全然違う。発砲の瞬間は発射の閃光と煙で前が一瞬見えなくなる。まるで小さい大砲を撃ったような感じだった。

的を見ると無数の小さい穴がたくさんと開いていた。撃ったのは鳥の狩猟用の散弾なので直径数mmの小さい鉛玉をたくさん飛ばす弾なのだ。実弾射撃からの実弾射撃で満足度は高かった。おみやげは数日後買う事にして店を後にした。

グアムの弾丸旅行初日の午前中はこんな感じで終わった。だが午後からはセスナの体験操縦あるのであまりゆっくりしている暇はない。コンビニで食べ物を買ってホテルにいったん戻ると次の予定の準備をした。

そして午後になると送迎の車が来た。今回お世話になったのは元パイロットの日本人の方が経営するところで空の一定の高度までいったところで操縦桿を使って少し操縦ができるというものだった。

空港のそばにある建物につくと中で案内で注意事項や流れについての説明を受けた。説明してくれたのは現地の人と思われる方だった。説明が終わると格納庫へ移動した。

地上の格納庫から離陸していくジャンボジェット機が見えた。地上から見る事ができるというのはなかなか新鮮だった。そして格納庫のそばに乗る予定のセスナ172があった。

インストラクターの人が飛行機の外観から異常がないか確認しその後一緒に乗り込んだ。乗るとやはり思ったより狭いが小型飛行機は初めてだったので気分は上がっていた。

エンジンを始動させるとエンジン音がコックピット内を包み込んだ。エンジンが目の前にあるのでその音が直接響いてくる。会話はそのままでは聞こえないため機内無線のついたマイク付きのヘッドフォンで話す。

そして説明を受けながらインストラクターが空港の管制と話した後に操縦して空港を離陸した。ある一定の高度まで来たところでついに体験操縦の時間である。

インストラクターが手と足を操縦桿とフットペダルから離し、操縦していいよと言われた。恐る恐る操縦桿を握るとゆっくり左へ傾けてみた、飛行機が操縦桿と同じく左へ傾いていく。

そして同じように右に傾けると右旋回を開始した。はっきり自分で飛行機を動かしていると分かるのは感動だった。今度はすぐにではなく操縦桿を引っ張って上昇したり押して下降もしてみた。

実際に飛行機を動かしているのもすごいのだが、同じくすごいのは日本でやっていたマイクロソフトのフライトシミュレーターと間隔がとてもそっくりだったのである。実機に乗ってあれがどれほどリアルだったのかと実感した。そのまま簡単な旋回などを数分ほど体験した後は操縦をインストラクターに返し空港に戻った。

体験操縦が終わると経営している日本人の方の送迎でホテルへ戻った。もっと思いっきり操縦桿を動かしていいと言われたのでもうちょっと思いっきりやっておけばよかったと後悔した。セスナより重量のある第2次大戦の戦闘機のゲームをやっていた時に急旋回で何度も失速して墜落しそうになったのでそれが怖かったのである。とはいえ体験は大満足で夕方頃ホテルへ帰った。

日本へ帰るのは次の日の朝6:55の便だった。普通なら後はゆっくりして家に帰るところであろう。だが、まだ銃のことが頭から離れなかった。

そのため最後にまたホテルロードにあるウエスタンフロンティアヴィレッジさんへ行くことにした。今度はまだ撃ってないSIGのP226を撃つためである。エアガンとは違う実銃の射撃の迫力に気持ち的には無限に撃ってられるぐらいどっぷりはまっていた。

お店に行くと午前中も行ったのでお店の方も私のことを覚えていてくれた。SIGのP226を撃ちたい旨を伝え、他の客が撃っている間ガラス越しに射撃を見る。カップルが撃っていて楽しそうだったのを覚えている。女性のほうはやや恐る恐る撃っていた。

それはそうである銃が好きな人間でも最初撃った時の手の中で銃が暴れる感じの反動と衝撃は想像以上だった。銃にそんな興味ない人からしたら恐ろしくてたまらないだろう。

そして自分の番が来た。SIG226を撃つがグロックより引き金が軽くはっきりしてて撃ちやすい。的の中心部にもよく当たった。引き金はゆっくり引くように意識してやってみた。どこで引き金を引ききったか分からないぐらいゆっくり引く。銃声と共に真ん中に弾が命中しているのが見えた。続けて同じ要領で撃っていく。

グロックの時とは違い面白いように中央に当たって行った。最後の射撃は満足の結果で終わりホテルへ戻った。ホテルではこの短い旅行の片付けをし(とはいえあまり部屋を使っていないが)明日の朝の帰路の便に備えた。

夕飯を買いにホテルの近くのコンビニに行ったのだがちょっと危なかった。とはいうもののコンビニでカップラーメンなどを買って帰るところで怪しい身長の高い白人と黒人の2人組がずっとついてきていたのである。おそらくひったくり目的である。

さすがにこれはまずいと思い右手に持っていた買い物の袋を左手に移し右手で腰のベルトあたりに手をもっていった。何か防犯的な物を持っていると思わせるためである。

右手と腰のベルト付近は羽織っている上着に隠れていて何かついているのかどうかは後ろからは確認できない。この動作の後2人組は”Man he got somethin, Lets go(あいつ何か持ってるな、行こうぜ)”と言って反対側の歩道へ向かっていった。ほっとしたあと少しでひったくられるところだった。

海外で夜一人で歩いていけないとは聞いていたが身をもって体験した瞬間だった。帰ってホテルの警備の人に聞いたところ大通りでもひったくり目的の人間がうろついているので気をつけなければいけないとのことだった。なんとか回避したものの反省点である。

それにしても夕飯も普通の旅行ならロブスターやステーキでも食べるところであろうが金銭的に無理をしている旅行なのでコンビニでカップラーメンを買ってきて食べるという寂しいものだった。しかし後悔などは一切なくちょっとヒヤッとした思いもしたが10年来の夢を達成した満足感で就寝した。

朝の4時半頃に起きて5時にはあらかじめお願いしておいたタクシーに乗る。06:55の便なのでゆっくりしている暇はない。空港につくと朝早くなのでほとんどのお店は閉まった状態だった。そして海外に来たという余韻に浸りつつ帰りの便に乗り日本へ帰国した。思う存分

これが最初で最後のグアム弾丸旅行になるはずだったがまだ2回もまた行くことになろうとはまだ思いもしていなかった。