火力要求の仕方 極座標(Polar)方式編

ブラウザ上で米軍式の火力要求の練習ができるサイトがあり最近よくやっています。このシミュレーターでは座標(Grid)と極座標(Polar)方式の2種類で火力要求を練習することができます。こちらでは極座標(Polar)方式でのやり方を備忘録としてこちらに残しておこうと思います。ただかなりざっくりとした説明です。

以下のURLの一番右にあるObserved Fire Trainerが該当のものです。※プレイする際はフルスクリーン推奨です。小さいままだと表示されない項目などあります。

https://oegames.tradoc.army.mil

動画は自分でプレイしてみたものです。

極座標(Polar)方式での火力要求の仕方

1:まず目標であるM60パットン戦車を双眼鏡で探します。1両がマップ上のどこかに設置されているはずなので探します。

2:目標が見つかったら双眼鏡で距離を測ります。双眼鏡の垂直軸の線で目標が高さ何ミルかを測りましょう。数字の1は10ミル、2は20ミルとなっています。

ミルの公式を使い距離を測っていきます。ミルの公式は以下の通りです。

目標物までの距離=目標物の大きさ×1000÷測定したミル角

M60パットン戦車の車高は3.3mなので3.3×1000÷5=目標までの距離となります。計算して距離は約660mと出ました。

3:次にコンパスを使って方位を割り出します。軍の砲兵の射撃では通常の一周を360分割した360度ではなく、さらに細かく再分割した砲兵ミルを使用します。砲兵ミルは一周6400分割の6400ミルとなります。コンパスの下の線の部分(このシムではかなり使いづらい…)を使用して線を戦車と重ねます。重ねたら方位を読んでいきます。N(北)を指している方位を読みます。数字が裏返ってますが約6160ミルです。

4:コンパスを使ったためこれは磁北での方位になります。地図を参照し真北での方位を計算します。ただこのシムでの地図の該当部分は文字が荒すぎて読めないためここは割愛しそのまま次の工程に移ります。

5:火力要求をします。砲兵のコールサインはLightning34、こちらはChaos14です。上段は修正射またはいきなり効力射するかの選択。下段は射撃目標を地図上の座標(Grid)で示すか極座標(Polar)という自分の位置からの方位と距離を伝えて示すかを選びます。今回は極座標方式(Polar)を選択します。

6:次に先ほど図った方位(Direction)と距離(Distance)を入力します。完了したらSendを押します。

7:次に目標の詳細(Target Description)を入力します。今回の場合は開けた地形である開豁地(かいかつち)に戦車が1両だけなのでSize(数)=1, Type(種別)=Tank, Degree of Protection(掩蔽の状態)=In the Openを選択します。砲弾の種類や撃ち方なども別の画面から指定できますがここではそのままにしておきます。完了したらSendを押します。

8:砲兵からMTO(Message to Observer)というメッセージで弾種と発射弾数、目標の識別符号が送られてきます。目標の識別符号は今回はAB1000となります。了解したら復唱(Read Back MTO)を押します。これが送られてきた後に砲兵が射撃します。

9:砲兵が射撃した数十秒後に弾着しました。すぐに双眼鏡でどれくらいずれたかを確認します。この場合だと戦車より左に8目盛り分なので約80ミルですね。

10:修正射を要求する前にずれた分の修正量を計算します。修正はステップ3で割り出した距離を1000で割った数にずれたミル数をかけます。小数点2桁以降は省略します。以下の通りです。660(距離)÷1000 x 80(ずれたミル数)= 48と出たので右に50m修正を指示します。

11:戦車の真後ろに弾着しました。方位はこれでよさそうです。距離は少し落としてよさそうなので射程を100m落とします。本来は修正射で先に弾着のきょうさ(夾叉)を得たいところですが、今回自身があるので修正値を入力後そのまま効力射を指示します。

12:効力射を要求すると上から見た視点に切り替わり弾着結果を見せてくれます。この時にまったく違う座標や修正値を指示していると上からの視点には切り替わりません。

13:弾着しました。一発が戦車のそばに弾着しています。今回は弾着が分かりやすいよう榴弾(HE)で射撃しています。

14:EoM=End of Misson(射撃終了)を選択すると報告画面になります。この射撃目標を再度使う場合は砲兵にRecord(記録)するよう指示します。射撃目標の識別番号はAB1000なのでそれを入力します。その下には射撃終了を意味するEnd of Missionを入力します。Surveillanceでは観測による射撃結果を入力します。今回は無事敵戦車1両を破壊したと考えられるので、Count(数量):1 、Type(種別):Tank 、(Damage)損害:Destroyed Est Cas(推定損害) 1を入力します。

12:最後に今回の結果が表示されます。自分が入力した数値が実際とはどれだけずれていたか見ることができます。結構方位や距離がずれているのが恥ずかしいですね。射撃回数が多いのは画面撮影や録画を同時にしながらやっていたためです。

いかかでしょうか自分の場合は映画のワンシーンで砲撃要請する場面から興味を持ちましたが、いったいどういうことをやっているのか少し理解が深まった気がします。今度はよく使用する座標(Grid)方式での火力要求のやり方を書いてみようと思います。