ディズニーと第二次世界大戦

ディズニーキャラクターと標章デザイン

ディズニーの第2次大戦への貢献はアニメーション映像にとどまらず部隊の標章のデザインでも活躍しました。標章とはよく軍の兵士たちが上着の肩につけているキャラクターと兵器などが描かれたパッチなどそういったものです。または航空機に描かれた一部のノーズアートもディズニーデザインのものがありました。

戦争を通してディズニー・スタジオはおよそ1200もの標章をデザインしました。それらは水上艦隊から爆撃飛行隊、教育学校、従軍牧師部隊、女性部隊そしてイギリス軍、自由フランス軍、自由ポーランド軍などなど数多くの部隊のため人気のディズニーキャラクターをあしらった標章がデザインされました。これらの標章はディズニーより無料で提供されました。これがウォルト・ディズニーの戦争への貢献のひとつであり、士気の向上をもたらしています。。

初めて公式的にディズニーが軍のために軍用標章をデザインしたのは1939年6月に海軍予備役のパイロット、バート・スタンリーによって頼まれたものでした。それはカリフォニアのサンディエゴで進水した新しい空母、U.S.Sワスプに編成された第7飛行隊のためのものでした。この依頼をディズニースタジオは喜んで引き受けすべての部隊の飛行機にそのデザインが描かれました。デザインはスズメバチをあしらったものでした。

・ドナルドダックは部隊標章の中でももっともよく使われたものでもある。彼は216個もの部隊標章に描かれておりその次に多かったのはプルートで46個に登場している。驚くことに3番目はグーフィーで幅広く登場している。ミッキーマウスは4番目で37個以上で主に国内戦線活動のものに登場している。

・プルート一等兵
ディズニーの犬でもプルートだけで55の部隊標章に使われている。ドナルドには及ばないがその次に多い。グーフィーもミッキーより多く使われており、危険な役割を与えられた部隊に採用されている。ある標章ではプルートは砲弾に上に乗ってそれを誘導していたり、また別のでは泳いで機雷を回収している。ブルドッグはその頑固さからからよく使われ、セントバーナードはアゴの下にブランデーの小たるをぶら下げレスキュー部隊のマスコットとして使われている。

・ミッキーマウス
ディズニーといえばミッキーマウスであるが、彼の愛嬌のある優しそうなキャラクターは戦闘部隊のデザイン向きではありませんでした。そのためミッキーの描かれた部隊標章はドナルドダックやプルートに比べて少なかったのです。そのため第2次大戦中ミッキーの描かれた標章は35個しかありません。それらのほとんども国内の非戦闘部隊に関するものでした。

・ポスタースタンプとマッチカバー
これらの部隊標章はあまりにも人気が出ていた。そのため1942年2月のロサンゼルスエグザミナー誌は(ウォルト・ディズニー・スタジオへ洪水のように依頼が舞い込んでいると報じている)は新たにこれらの部隊標章をポスタースタンプにして、児童用にそれらのスタンプを貼り付けるアルバムを企画した。「大衆はディズニーの作り出した部隊標章を重要視している。これらは日々彼らの発想より早く作り出されているそれが”ニュース”となるまで」。2つ目のアルバムは3月に発行されエグザミナー誌には多くの広告が設けられた。このシリーズではカラーのスタンプを250個以上発行している。

ミッキーとドイツ空軍
奇妙なことにミッキーが世界的に最も人気だったため、初めてディズニーキャラクターの中で軍用標章として使われている。しかしそれはスペイン内戦中のドイツ空軍にてである。バトルオブブリテンのエースであり、何百もの戦闘を潜り抜けたアドルフ・ガーランド中将が初めて実戦に出たのはスペイン内戦だった。彼はドイツ人義勇兵のコンドル軍団でその当時自身の機体であったHe51戦闘機にミッキーマウスのエンブレムを描いている。彼はこのミッキーマウスのエンブレムを第2次大戦中ずっと自分の機体に描いていた。